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偉大なるパン職人! ブノワトン高橋幸夫氏ご逝去@伊勢原

日々、多くの新しい店が生まれる中、長きに亘り愛され続けて来た店が、時代の流れの中、閉店に追い込まれる例は少なくありません。
しかし、この店の閉店は、そう言うケースとは異なります。
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都内には、やれ「ポール」だ、「メゾンカイザー」だ、「ヴィロン」だ、「シニフィアン・シニフィエ」だ、等々、
拘りの美味しいパンを提供する有名店、人気店が幾つもあります。
でも、これらの有名店に一歩も引けを取らないパン屋さんが、神奈川伊勢原市と言うマイナーな地にあります。
地元の小麦を使った美味しいパン作りを続ける「ブーランジェリー・ブノワトン」。
この店を伊勢原で人気のパン屋さんと評するのは、もはや昔の話。
最近は、県内はおろか県外からも沢山のパン好き達が、こちらのパンを求めてやって来る超人気店であります。

この店をここまで育て上げたパン職人であり、オーナーでもある高橋幸夫氏が、8月1日に亡くなられたと聞いて大きなショックを受けました。
初めは、ブノワトンが閉店すると言う噂を聞いて、「何故?」とショックを受けたのですが、その理由が高橋さんの死によるものだと言う事を知り、二重のショックを受けました。

10年位前、お店が出来た時から通っています。
「東京から、こだわりのパン職人がやって来る。 なんでも、蕎麦粉を挽く石臼で小麦を2度挽いたパンを作るらしい。」等の噂が流れていた記憶があります。

オープン当初は、パン屋らしくない、しかも伊勢原と言う町には、およそ似合わないお洒落な建物やディスプレーと言い、パン屋のくせに、営業が週休2日だったりと、何か変わった店だなぁ、と思ったものでした。

でも味は折り紙付きで、初めは一部のパン好きのみに支持されるお店でしたが、あっと言う間に、その人気は広がって行きました。

高橋さんは、単なるパン職人ではなく、パン作りの研究家のような方でした。
国産小麦に拘ったパン作りの普及に留まらず、地元で栽培された小麦を使った、所謂、「地産池消」のパン作りに取組み、「湘南小麦プロジェクト」なるものを立上げたのが4~5年前。
そして、苦労の末、湘南小麦だけで使ったパン作りに成功し、これを扱う店「足柄麦師」を箱根にオープンさせたのは、未だ記憶に新しいです。
また、最近は、高橋さんのパン作りに賛同する仲間達への技術指導に、休日は全国を飛び回っていたそうです。

41歳と言う若さで亡くなられた高橋さん、まだまだやりたい事が一杯あったでしょうし、今後数十年間の間には、我々ファンに対し、そしてパン業界に、あっと驚くとんでもないものを見せてくれたに違いないでしょう。
そう、思うと本当に残念でなりません。

ブノワトンは2010年3月29日まで営業を続け、4月からは、スタッフの1人が、この跡地に新しい店をオープンするとの事。
また、「足柄麦師」は、奥様の郷子さん中心に従来通り、営業を続けられるとの事。
この2つが、せめてもの朗報です。

高橋さんのご冥福をお祈り致します。

ブーランジェリー・ブノワトン
神奈川県伊勢原市板戸645-5
0463-91-6710
[平日] 10:00~18:30
[土・日・祝] 9:00~18:30
火曜・不定休
by kansukenator1 | 2009-09-01 23:18 | その他 | Comments(0)


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