斬新で洗練された少量多皿のコースを驚異のCP価格で提供する人気のイタリアン「sel sal sale」。 店名の「セル(sel )サル(sal)サーレ( sale)」は、各々フランス語、スペイン語、イタリア語で「塩」を意味する単語で、その名の通り「塩」に拘りを持ったレストランです。 この店を率いるのは、イタリア本国のミシュラン☆付きレストランはじめ、名だたるレストランで経験を重ねて来た濱口昌大シェフ。 MENUは、シェフお任せの10品=5500円のコースのみ。 場所は恵比寿駅西口から徒歩5分程の裏路地の静かなエリア。 通りに面したガラス窓から見える店内は、コンクリート打ちっ放しの造りながら、壁やテーブル、チェア等、随所に木を使った明るくカジュアルな雰囲気。 キャパは大きからず小さからずの20数席程。 料理に取り組むシェフの一挙手一投足を目の前で見れるカウンター席に座りたかったところでしたが、「10年早い!」 と言う事で、通されたのは残念ながらテーブル席です。 ワインはグラス800円~、ボトル4000円位~。 ペアリングは3種(泡、白、赤)で2500円、9種(ワイン、日本酒)で4500円とワイン類も敷居の低いプライシング。 相方はグラスワインを、自分は9種のペアリングをお願いしました。 MENU、お品書きの類がないので、料理名は間違っているものもあると思いますが、悪しからず。 ↓ ①鹿児島産天然真鯛の冷製カッペリーニ ②鴨のロワイヤル ③白子のロワイヤル ④牡蠣&洋ナシのサラダ ⑤菊芋のポタージュ ⑥鰆のミキュイ ⑦セイコ蟹のリゾット ⑧フォアグラのブリュレ&エスプレッソの食パン ⑨白魚のパスタ ⑩フォカッチャ ⑪山形ポークのロースト ⑫わらび餅 ⑬エスプレッソ 10品超えてるじゃん!! フォークに巻かれた一口サイズのカッペリーニの上に生の真鯛を乗せたお鮨のようなルックスの一皿。 これをお鮨のごとく一口で口に運ぶと、仄かな塩が引き出す鯛の甘みと冷たい麺を覆うオリーブオイルの芳醇な香りが鼻に抜けて、そのシンプルな美味しさに大袈裟でなく感動! 真鯛は塩を振る事により浮き出た魚のエキスとトマトウォーターを乳化させたソースでマリネしているとか? 冷たい一皿目に続く二皿目は暖かいお料理。 優しいコンソメ風味のロワイヤルです。 ローストしたネギの香ばしさ良い感じ! たっぷりの白子とピューレ状の根セロリ。 柚子が爽やか。 ■牡蠣&洋ナシのサラダ 豊かな磯の香りを纏った牡蠣が持つしっかりとした塩みを洋ナシの爽やかな甘さで包んだ一皿。 生ハムメロンと同じ発想と言ったら失礼かな? グリーンオリーブ、春菊のペースト、ハーブ等が香りと味わいのアクセントに・・・。 菊芋を皮ごと摩り下ろして作られた暖かく優しい味わいのポタージュ。 菊芋の甘い香りとトリュフのちょっとヤバイ香り。 スープのとろみと揚げチップのカリカリ感とブッラータのもっちり感。 多様な香り、多様な食感、多様な味わいが一つのお皿で楽しめる1品でした。 この料理に塩みは殆ど感じられませんでしたが、この料理における塩の役割は、全体の求め役、所謂、影の存在として使用されているのでしょうかね? 完璧な火通しで仕上げられた鰆のミキュイを包み込むソースは、ほんのり鶏の和風出汁の風味が効いた大根の擦りおろしスープ。 スープには薄くスライスした空芯大根、ナスチュームと言う辛みのあるハーブ等が添えられ、鰆の表面にはパウダー状のカラスミがトッピング。 濱口シェフの料理は、兎に角、一皿に、実に多種多様な食材やハーブ、調味料が使われますが、それが見事に1つに調和しているところが凄いです。 セイコ蟹、石川県で言うところの香箱蟹が泡を吹いているいるようなユーモラスな演出で登場。 アルデンテに炊き上げられた米の食感、甘く柔らかな蟹の身、内子のねっとり感、外子のぷちぷち感、生ハムの塩味、イタリアンパセリや胡椒の香り・・・。 こちらの料理も様々な食感や味わい、香りのハーモニーが楽しめます。 赤米酒と言うものを初めて戴きましたが、マイルドな甘酢っぱい味わいで、日本酒と言うよりワインに近く、アルコールが苦手の人でも飲みやすそうなお酒です。 ただ、自分には甘過ぎました。 ■フォアグラのブリュレとエスプレッソの食パン 冷たく柔らかなフォアグラと暖かくカリッと焼かれた食パン。 フォアグラの濃厚な甘さと、エスプレッソの食パンの香ばしい苦み。 フォアグラの柔らかな食感や旨みと、キャラメリゼされた部分のざらざら感と香ばしい苦み。 こちらの料理も両極にある食感や味わいのコントラストが楽しめる一品です。 素揚げした白魚。 白菜を発酵させたイタリア版のキムチ。 これらと、クミン、コリアンダー、フェンネル等のスパイスやハーブ類が一体化したソースが癖になりそうなエスニック色強めの独創的なパスタ。 フレッシュな酸味と程良い甘さを持った飲みやすいロゼのスパークリングワインで、エスニックっぽいソースとベスト・マッチング。 ■山形ポークのロースト ポークのローストは、コース終盤での満腹感も影響してか、やや脂が重く感じました。 ポークの脇を固めるのは、ハーブを練り込んだチーズ、燻したインカの目覚めのマッシュポテト。 そして、グリルした茄子、蕪、ブロッコリー、ニンジン等の野菜達。 さすがにアマローネのような濃厚さはないものの、リパッソならではの凝縮された甘苦さが感じられる美味しいワインでローストポークとの相性もGood!でした。 わらび餅を覆っている白い物体は絹ごし豆腐とホワイトチョコのムース。 下には黒蜜とバルサミコのソースが・・・。 ************************************************* 10品のコースと思っていましたが、この日供されたのは、食後のコーヒーを加えれば、何と13品。 決して小食ではない自分でも後半戦は結構きつかったです。 少量多皿の和テイストなイタリアンと言う事前の認識で伺いましたが、イタリアンと言うより、むしろフレンチに近い印象を受けました。 店名にあるように、コチラは塩に拘ったお店と言う事なので、普段より「塩」を意識しながら食事を進めました。 来店する前は、さまざまな種類の塩を用いて、塩の個性で味わいの変化を付ける、もっと塩が主張する料理を想像していたのですが、どのお皿も優しい味わいで素材の美味しさを存分に引き出した料理でした。 濱口シェフが拘る塩使いとは、塩で味の変化を付けると言うより、塩の使い分けによって多種多様な食材が持つ独自の旨みを如何に引き出すか! また、多種多様な食材を調和させる纏め役としての塩! と言う事である気がしました。 つまり、塩は影の主役であると・・・。 そして、とにかく驚いたのは、皿数もそうですが、一皿ごとに使われている食材やスパイス、調理料の種類と数の多さ。 そして、それらの組み合わせの発想が豊かで独創的で、遊び心や驚きがあって・・・。 それでいて、ちゃんと1つに調和させているところが凄いです。 (ただ、個人的には、もう少し骨太の料理の方が好みですが・・・) MENUはひと月度に替わると聞きましたが、シェフの頭の中には、一体どれだけのストックがあるのよ?と言う感じです。 唯一、気になったのは、あくまで自分の個人的な思いですが、料理が運ばれるスピード(間隔)がやや早過ぎる事。 アルコールを飲むせいもありますが、一皿毎、ゆっくり味わい、ゆっくり飲みたい。 そして会話を楽しみながら戴きたいのですが、前の皿が食べ終わる前に、次の皿が運ばれてくる感じで、慌てて食べなければならず、少々、気ぜわしさを感じました。 2時間30分で退席するルールが謳われていましたが、我々の滞在時間は2時間に至りませんでした。 まあ、飲まない人は、この位のスピードでないと、間延びしてしまうかもしれませんけどね。 こんな自分勝手な我儘を言ったら罰が当たるような素晴らしいCPのお店でした。 03-6416-5230 渋谷区恵比寿西1-16-7 ハギワラビル 1F 17:30~23:00 定休日:基本月曜、月により変化
by kansukenator1
| 2019-02-12 23:29
| イタリアン
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by kansukenator1 カテゴリ
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