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京都小旅行Part①京都迎賓館一般公開

京都小旅行2日目、GWの試験公開を経て、この夏から通年公開となった京都迎賓館に足を運んで来ました。
お恥ずかしい話ですが、これまで、「京都御苑」と「京都御所」と「京都迎賓館」の存在がイメージとしてごっちゃになっていましたが、今回、ここを訪れた事で、初めてクリアになりました。
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京都御苑は、もともとは天皇家のお屋敷や200余りの公家屋敷を抱える敷地だった場所であり、今は市民に無料で開放されている広大な公園となっている場所。
「京都御所」は、「京都御苑」の中にある東京に遷都されるまでの間、歴代天皇が住まわれたお屋敷。
そして、「京都迎賓館」は海外からの賓客をおもてなしする為の迎賓施設。
いやいや、小学校低学年レベルの知識ですが・・・。
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東京の迎賓館赤坂離宮の一般公開も大変な人気のようですが、京都迎賓館の人気も負けていないようです。
参観方式は、自由参観方式とガイドツアー方式の2種類があるようですが、9月は全てガイドツアー方式での参観となっているようです。
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さて、今回の京都小旅行はですが、1日目お墓参り、2日目京都迎賓館、3日目大原散策と、1日1MENUに絞り、あとはその時の気分で適当に・・・、
と言う具合に、ゆったりと余裕を持ったスケジュールで臨みました。
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2日目のこの日も、京都迎賓館参観しか予定を入れていなかったので、本来は余裕の筈でした。
しかし、ネットによる前売り券を取り損ねた為、現地で並んで当日券をゲットしなければならなく、朝から慌ただしく動かなければならない羽目になってしまいました。
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参観にあたっては、1日の入場枠は750人、ガイドツアーは1グループ30人(参観時間60分前後)、15分刻みで指定の順に回る等、いろいろ細かな規制が設けられているようです。
当日券は、早い者勝ちで、この日は300名限定で、30名×10グループと言う枠だと言う話を並んでいる時に係員のおっちゃんから聞きました。
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確実にチケットを確保する為には、そして自分の希望する時間帯のチケットを手に入れる為には、少しでも早い時間に列に並ぶ必要があります。
集合場所は、京都御苑内の京都迎賓館の西門前。
11時より整理券配布と言う事でしたが、我々が到着した9:45には、既にこのような列が出来ていました。
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1時間並んで、何とか12:30からのチケットをゲットする事が出来ました。
指定された集合時刻12:00までは約1時間。
京都市役所前の旧島津製作所本社をリノベーションしたレストラン「Fortune Garden Kyoto」で駆け足でランチを取り、ぎりぎり12;00に戻って来ました。
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集合すると、建物の地下へ誘導されます。
そこで、1人ずつ、空港さながらに金属探知機で手荷物検査が行われた事に先ず驚きました。
検査を通過した手荷物はコインロッカーに預けなくてはなりません。
そして、カメラ撮影等に関する注意事項の説明を受け、再び地上に戻って、参観開始です。
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と思ったら、ここでも、まだ中に入れて貰えず、靴をロッカーに入れ、スリッパに履き替えます。
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そして、「京都迎賓館は、日本の伝統的な住居である入母屋屋根と数寄屋造りの外観をいかし、築地塀を巡らせた品格ある佇まいである事や、外装・内装、調度品には、随所に京都の伝統的な技が施されているので注目して参観して欲しい。」と言った説明を受けます。
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そして、今度こそ、館内へ足を踏み入れます。
長い廊下にグレーのカーペットが敷かれています。
我々はスリッパに履き替えましたが、海外からの賓客は靴のまま受け入れるそうで、こちらの廊下は、ハイヒールの女性がガンガン歩いても傷が付き難い特殊な素材で作られているんだそうです。
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聚楽の間(じゅらくのま)

晩餐会などが行われる際に、ゲストの待合室として使われる部屋です。
聚楽とは、集った人達が、心安らかに過ごせるように願って名付けられたものだそうです。
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椅子の布地は「西陣織」、八角形のテーブルは側面に竹カゴを作る際に用いられる「編組(へんそ)」と言う技法で編まれています。
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千代結のデザインの「釘隠(くぎかくし)」
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夕映の間(ゆうばえのま)

大臣会合などの会議や賓客の歓迎セレモニー会場などに使用される夕映の間。
「夕映の間」という名は、日本画家・箱崎睦昌氏の原画を基に製作された東西2つの壁を彩る綴織り(つづれおり)の題名に由来するそうです。
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西側の壁に飾られているのが愛宕山の夕景を描いた「愛宕夕照(あたごゆうしょう)」。
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東側の壁に飾られているのが比叡山の夕景を描いた「比叡月映(ひえいげつえい)」。
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それぞれから一文字を取って、「夕映の間」と言う名称にしたものだそうです。
見所は、山の稜線は境界線を目立ち難くする為に、色を入れずに縦糸と縦糸の間に出来る隙間で色調を崩さないように「ぼかし」を表現しているところ。
「比叡月映」は374色、「愛宕夕照」は325色もの糸が使われているそうです。

織物の向かって左にある鎚起(ついき)という引手の金物です。
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部屋の正面奥の箱庭?
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外を見ると、石を配した池と、池に掛けられた「廊橋」が見えます。
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藤の間(ふじのま)

藤の間は、京都迎賓館の中で最も大きな部屋であり、洋食の晩餐会や歓迎セレモニーなどの会場として使用されている部屋。
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正面に飾られた幅16mに渡る巨大な綴織りの織物は、日本の四季折々の草花が39種類も描かれた西陣織の麗花。
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部屋の一部には、晩餐会用のテーブルセッティングを再現したコーナーもありました。
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また、日本舞踊や能などの伝統芸能を披露出来る舞台も併設されています。
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舞台扉に描かれている繊細な装飾は、截金(きりかね)と言う技法で描かれたもの。
幅0.2~1mmに截(き)った細い金箔やプラチナ箔を縦3m×横8mの舞台扉に貼り付けてゆくのだそうですその数、本数にして、なんと約30万本と、気の遠くなる数です。
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天井の「光天井」は伝統工芸の京指物と和紙でできた行灯風の灯りです。
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これは、「錺金物(かざりかなもの)」と言う建築各部に用いる補強と装飾を兼ねた金具。
釘隠、襖の引き手等、天井金物にも活用されとの事。
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こちらは、「藤の間」から見える池と「廊橋」。
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桐の間(きりのま)

藤の間が洋食を提供する晩餐室であるのに対し、桐の間は和食を提供する晩餐室。
日本舞踊や箏曲などを観ながら、本格的な京料理で賓客をおもてなしするそうです。
56畳の部屋に敷き詰められた畳は、京都迎賓館の為に栽培されたイグサを使い、畳職人が一針一針手縫いで編み上げた「中継表」と言う技法で作られたものだそうです。
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部屋の中央にある座卓は、長さ12メートル、1枚仕上げの漆塗の座卓。
砥石と炭を交互に使い、何度も何度も研磨する事で、周りの景色が座卓に映り込む程の美しい光沢の塗りが完成するそうです。
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ちなみに、座卓の下は海外の賓客に優しい掘りごたつになっています。
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ところで、「桐の間」という名は、部屋の主要な装飾モチーフが、日本国政府の紋章であり、京都迎賓館の紋章でもある「五七の桐」であることに由来しているとの事です。
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そう言われてみれば、、部屋のあちこちに、この紋章が施されています。
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「桐の間」からも、美しい庭園と池に掛かる「廊橋」が見えます。
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廊橋&庭園


最後に「廊橋」を渡ります。。
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色々な部屋から遠めに見ていたあの「廊橋」です。
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「廊橋」の左右には池と美しい庭園を愛でる事が出来ます。
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そうそう、「廊橋」の天井にこんな遊び心が隠されていました。
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めっちゃ気付き難いですが、昆虫四匹(とんぼ、こおろぎ、ばった、すずむし?)の透かし彫りです。
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そして、池に浮かぶこの和船、記憶にありませんか?
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ブータン国王ご夫妻がこちらを訪れた際に、この和船に乗って向こう岸の部屋に向かった、あの舟です。
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ここで参観は終わり、再び、地上に戻って来ました。
我々は西門から入って来ましたが、前方右手奥に見える門が正門なんですね。
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約1時間の参観でしたが、結構、疲れました。
初めて見るもの、初めて聞く事ばかりで、普段はこのような高尚な世界とは無縁の世界で生きている人間なもので・・・。
文化とは何か?芸術とは何か?皇室とは何か?
歴史、文化、芸術、皇室、国際交流、等、色々、考えさせられました。
良い経験をさせてもらいました。
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最後に、今回、勉強した事を備忘録として・・・。

京都御苑は、京都市の中心部に位置し、京都御所と仙洞御所、大宮御所を包含する東西700メートル、南北1300メートル、総面積は92ヘクタールに及ぶ広大な緑地で、環境省の管理する国民公園。
そう言われてもピンと来ませんが、その広さは東京ドーム19個分に相当するそうです。

京都御苑の地には、江戸時代には200余りの公家屋敷が立ち並んでいましたが、明治に入り、東京遷都に伴い、多くの公家が東京に移り住むようになり御所周辺は急速に荒廃して行きます。

これを見かねた明治天皇の指示に基づき、軒を連ねる旧公家屋敷の空家の撤去と跡地の整備を開始した。

これが京都御苑の始まりでだそうです。

おしまい!
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by kansukenator1 | 2016-10-19 18:05 | 散歩/旅行 | Comments(0)


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