金沢を訪れたら、是非とも、伺ってみたいと、以前から思っていたのが、鮨の「志の助」と居酒屋の「こいで」の2店。
6月に、金沢を訪れた際は、急だった為、予約が取れず、無念の涙を流しましたが(それ程、大袈裟なものでもないですが・・・)、今回は、1週間前に予約を入れておいたので、2店共、伺う事が出来て、満足、満足。 そして、今日は、「こいで」のお話です。 場所は、金沢駅東口の都ホテルとガーデンホテルの間の大通りの都ホテル側を少し歩き、ライブワンと言うビルを越えたところで、左に曲がり、やや細めの通り(別院通り?)を暫く歩くと、左手にあります。 駅から徒歩10分程。 店の前に、日本酒の空き瓶をずらっと並べている店が見えたら、それが、「こいで」です。 「こいで」があるこの通りには、飲み屋や食堂等、色々な店が軒を並べているのですが、やや寂れた感が否めない通りで、しかも、「こいで」に着くまでに、結構、歩くので、本当に、この道で間違っていないかと、途中、不安を感じるかも知れません。 この日、待ち合わせした友人も、迷って、電話を掛けて来ましたが、このやや細めの通りさえ、間違わなければ、大丈夫です。 余談になりますが、実は、ヲイラ、此方を訪れるのは、今回が初めてではないんです。 5年程前、金沢に遊びに来た際、帰りの列車の時間まで、1時間ほど余裕があり、駅周辺を散策していた時に、この店と出会っているんです。 まだ、店が開く前の明るい時間帯でしたが、この酒瓶を並べた店構えが、何とも言えない良い雰囲気を醸し出していて、きっと良い店なんだろうな!と思って、店の外観の写真を撮っていたんです。 何か、縁を感じますね。 その外観は、今も、当時と変わっていませんでした。 予約した7時ちょうどに店に着き、扉をがらっと開けると、カウンターの向こうに、大柄で、スキンヘッド、蒼い刺青のようなシャツを着た強面のご主人の姿が、真剣な面持ちで包丁を引いている姿が目に入りました。 先客は1組だけ。 地元の常連客と見受けられる30代半ばくらいのご夫婦が、カウンターで、良い感じでお酒を飲んでいました。 そう言えば、このご夫婦、「鮭児のカマ焼き」を食べていました。 凄いボリュームの鮭児でした。 いくらするんだろう・・・。 店内は、カウンター6席くらいと、10人くらいが座れる小上がりがあります。 店の雰囲気は、まさに居酒屋そのものです。 カウンターの隅の席でビールを飲み、MENUをチェックしながら、友人の到着を待ちます。 差し出された手書きのMENUには、産地を明記したお勧めの魚貝類がぎっしり。 「美味!」とか、「是非!」とか、「超お勧め!」とか、「超超超お勧め!」とか、「ご主人、直筆のコメントも入っており、どれも魅力的で、「あ~、全部食べたい~!」と叫びたいモードになります。 こちらで提供される料理は、極上モノの魚貝類が中心かと思いきや、黒板を見ると、ご主人(と言うより大将と呼んだほうが似合う)が山に入って採って来ると言う山菜料理や、肉料理のMENUも実に豊富。 肉の炭火焼のMENUには、イベリコ豚、飛騨牛イチボ、佐賀牛イチボの他、ハンガリーのマンガリッツァ豚やシャラン産窒息鴨なんて言ったものも・・・。 食材は、地元産には拘らず、大将が気に入ったものを仕入れているそうです。 これは、近くに住んでいたら、毎週通いたくなる店ですね。 ただ、料理MENUに、一切、価格の表記はありません。 全て、時価です! 怖いですね~! やっぱり、そんなに通えません。(涙) アルコールのMENUに目を移します。 アルコールMENUには、きっちり、価格が明記されています。 こちらも、地元産に拘らず、「全国の名酒」、入手困難な「幻のお酒」と言われているものの中から、大将が気に入ったものだけを、独自のルートで仕入れ、置いているようです。 さぞかし、高いお酒ばかりなのだろうと、ちょっと、びびっていましたが、1合600円から1000円以下の銘柄も色々あり、ほっとしました。 しかし、1合3000円なんて言うモノもザラにあり、中には、1合6000円なんて言うモノもあ りました。 日本酒の知識が殆どないいヲイラは、ただ、呆然! ぽか~ん!と言った感じです。 ヲイラには、何が凄いのか、普通のお酒とどこが、どう違うのか分かりませんが、お酒に詳しい人には、溜息が出る品揃えみたいです。 そして、1合2000円以上のお酒は、0.5合単位でオーダー出来る仕組みになっており、こう言うところも、お酒好きの人には嬉しい仕組みでしょうね。 暫くすると、お通しが運ばれました。 お通しは、「自家製のカニ味噌」と「「丹波の黒豆の塩茹で」の2品です。 「かに味噌」は濃厚で旨みたっぷり。 本来なら、ここは、日本酒で攻めるべきところなんでしょうが、序盤(この時間帯)から日本酒に行くと、後が怖いのでビールで・・・。 そして、「丹波の黒豆の塩茹で」ですが、これは感動ものでした。 以前、新潟黒崎の茶豆を戴いて、塩茹でして食べた時も感動しましたが、これは、それを超えました。 豆の粒が大きく、瑞々しく、歯ごたえも良く、まさに、枝豆の王様と言った味わいでした。 予約時間を30分近く過ぎ、ようやく連れが到着したところで、大将にお任せで、お刺身を盛合わせでお願いしました。 盛合わせの内容は、次の9点。 <刺身の盛合わせ> 手前左から・・・ ■やなぎざわら ■のどぐろ ■白甘鯛 2列目左から・・・ ■氷見のカツオ ■氷見のイカ ■氷見のアジ 奥、右から・・・ ■白ガスエビ ■白えび ■由良の赤うに この刺身盛り、ぺらぺらな薄切りなぞ、一切れもありませんぞ。 全て、大きく、分厚く、食べ応え十分の大きさにカットされています。 思いましたけど、刺身の持つ本来の美味しさを味わうならば、この位のカットでなければ駄目だなと・・・。 そして、お味の素晴らしさは、言わずもがなです。 のどぐろは脂乗り乗り、白甘鯛は上品な甘さ、イカはとろ~ん、えびはねっとり&とろ~ん、1箱丸ごとのウニは、塩も醤油も付けずにそのまま食べて、「甘~い!」 幸せです。この幸せを感じたくて、ここへ来たのです。 お刺身に舌鼓を打ちながらも、頭では、次にお願いする料理を思案している我々。 大将が、毎日、山に入って採って来ると言う野生の野菜も魅力的で、黒板MENUから、「天然みょうがの酢の物」と「自家堀りの自然薯 磯部揚げ」をオーダー。 酢の物にしたたっぷりの茗荷に、これまた、たっぷりの鰹節を掛けただけのシンプルの極みみたいな料理ですが、これが旨い! 自然薯の磯部揚げなんかも、どこの家庭でもよくやるポピュラーな料理ですが、素材の違いでしょうか、家で食べるそれとは旨さが違いました。 そろそろ、メイン料理に行きたいところとなりました。 自分は、「氷見のメタボのどぐろ塩焼き」に行こうと思っていましたが、連れが、「軍鶏のモモ焼き」をリクエストしたので、それに従いました。 大将は、金沢ではなく名古屋出身との事。 それじゃ、軍鶏には、さぞかし、うるさいだろうと言うのが連れの読みだったようですが、名古屋は軍鶏ではなくて、名古屋コーチンじゃなかったっけ? と、まあ、連れの勘違いは、さて置いて・・・・。 その軍鶏ですが、身の絞まり具合が半端なく、歯が疲れるくらいの弾力感。 そして、身が甘~い! これをワサビで戴きます。 (柚子山椒でも合いそうですね) 美味しい軍鶏でした。 ここら辺で、かなり満腹になって来ましたが、黒板に書かれた「天然きのこ汁」の文字が目から離れず、それを〆に注文。 出汁は超控え目で、自然のキノコのエキスたっぷりの滋味深く、優しい味わいの〆にぴったりのお椀でした。 ここで、デザートが運ばれました。 石川県名産の「ルビーロマン」です。 プラムと間違える程、大粒の果実、フレッシュ感溢れる甘さ。 流石に、高級なお味でした。 この日、戴いたドリンクは、次の通り。 お酒は、財布に優しい銘柄をチョイス。 でも、どれも美味しかったです。 <ヲイラ> ■ビール×2 ■屋守(おくのかみ) 純米吟醸、雄町(700円) ■九平次(くへいじ) 純米吟醸 山田(900円) ■純米 氷漬?清? 田酒の超限定品シリーズ(900円) <連れ> ■ビール×1 ■黒龍・・・詳しい銘柄失念(黒龍の中でも最もリーズナブルなものでした) ■潤平原酒 ■100年の孤独のハイボール(900円) 大将の料理は、凝った調理法や鮮やかな盛り付けとかに力点を置いた料理ではなく、極上と言われる食材をシンプルな調理法で味わって貰おうとするスタイルのようです。 大将曰く、 「料亭って言っても、寂しくなる程、大したモノ仕入れていないよ。うちの方が遥かに良いモノ仕入れてるから・・・」と。 そうした店ですから、当然、価格は安いはずがなく、多くの人から受け入れられる店ではないかも知れません。 限られた客層に絞った商売をされています。 しかし、大将は、笑みを浮かべながら、こうも言います。 「うちは、高いけど、本当は安いんだよ。 利益ちょこっとしか乗せていないから・・・・」と。 要は、最高水準のモノを仕入れているから、絶対額は高いかも知れないけれど、実質的には高くないんだと言う事ですね。 良く、分かります。 でも、この日、戴いたMENUのうち、ミョウガ、自然薯の磯部揚げ、きのこ汁の3品は大将が山で取って来た、謂わば、原価ゼロの食材。 仕入れの高い食材は、刺身と軍鶏だけと考えると、居酒屋で、2人で33,000円は、「安い!」と思える人ばかりではないかも知れませんね。 でも、ヲイラは、たまの贅沢として、十分納得、十分満足しました。 次に金沢を訪れる際も、是非、また寄らせて貰いたいと思う店でした。 こいで 金沢市笠市町5-7 076-221-5190 18:00~21:00(LO) 23:00位 定休日 日祝日
by kansukenator1
| 2012-10-24 17:56
| 和食
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by kansukenator1 カテゴリ
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