店名が、未だ、トロワ・ピエロだった頃に、この店の存在を知り、是非、一度伺ってみたいと思っていました。
それから、数年後、今年1月に、やっと初訪問を果たす事が出来ました。 その頃、ヲイラが勝手に想像していたトロワピエロは、こんな感じでした。 店は中目黒の商店街のはずれに立つ古びたビルの地下にあり、店内は狭く、薄暗く、あまり綺麗ではない穴蔵のような造りで、天井から、熟成された肉の塊がぶら下がっている。 客層は、ちょっとマニアックな食通の男達。(特にジビエには目がない)。 勿論、若い女性の姿などある筈もない。 ファッションなどには全く無頓着な、むさい男達が、嬉しそうに獣肉に食らいついている。 そんな感じでした。(ちょっと、大袈裟?) ところが、想像するのと、実際に見るのとでは、大違い。 店名を変えたのを機に、イメチェンを図ったのか? はたまた、昔から、こんな感じだったのかは分かりませんが、ビストロ風のお洒落な店じゃあ~りませんか。 客層も、若い女性同士が目立ちます。 そして部屋の中央に設置されたガラス張りの熟成庫には、野鳥や獣肉、シャルキュトリー類が吊る下げられています。 通常、こういう類を、客席にレイアウトする(客の目に晒す)のは、ちょっとエグイような気もしますが、逆に、それが、この店の凄さ(本格性)のメッセージと、お洒落なオブジェとしての効果も果たしていました。 MENUも豊富です。 前菜、サラダ、メイン、デザートの分類毎に用意されているMENUは、ジビエに限らず、バラエティー。 ワインも国産、海外産共に、3000円台から高級銘柄まで充実のラインナップ。 特に、国産ワインの品揃えの充実さには驚きました。 こちらで提供される肉は国産肉なので、ワインも国産ものを充実させているのでしょうね。 最初に開けた旭洋酒の甲斐ノワール2009(山梨)は、牛蒡の香りや、土っぽいニュアンスが感じられる今まで経験したことのない興味深いワインでした。 そして、この日、戴いた内容は、こちら。 <前菜> ■ジビエのミートソースグラタン(お通し) 鹿や猪等のミンチにチーズを掛けて焼かれた一品。 カリカリに焼いたバゲットに乗せて戴きます。 ■蝦夷鹿の熟成肉のタルタル タルタルと言っても、肉の表面が軽く焼かれています。 中身は殆どレアで、肉がとても甘いです。 卵黄、ピクルス、マスタード等を混ぜたソースをスタッフが肉に塗ってくれるのですが、ソースを塗らない肉だけの味も試したかったので残念でした。 どうです、旨そうでしょう? フレンチポテトも付いて来ます。 ■シャルキュトリーの盛合わせ 猪のクラテッロ、黒豚の生ハム、猪豚のサラミ等。 ■青首鴨の内臓 部位は、ハツ、レバー、砂肝。 歯ごたえと言い、滋味深い味わいと言い、溜息が出る旨さ。 甘酸っぱいソースはバルサミコ? <メイン> ■新潟産青首鴨の炭火焼 深いローズピンクのこの肉の断面、エロ過ぎです。 滋味豊かで、ぎゅっと締まった弾力ある肉質、深い味わい、この日、一番感動した一品です。 足や手の周りの肉も旨々! カリッと焼かれた香ばしい皮の最高です。 ■蝦夷鹿&丹波産猪の炭火焼 猪のグリルは初体験です。 全く臭みがなく、赤みはジューシー、脂は甘く・・・。 素材の良さと高いドライエイジング技術の成せる技なのでしょうか? ヒグマも食べてみたかったのですが、この日はありませんでした。 <デザート> ■アイスクリーム&食後酒 連れの2人が食べたデザート。 ヲイラは、コルトン・シャルルマーニュのマールで〆ました。 どの料理も、ボリューム満点で、しかも美味しかったです。 同じジビエ料理でも、フレンチレストランのように、凝ったソースや調理法でシェフのアイディアや個性を打ち出す手法とは違い、素材重視のシンプルな調理法で攻めているのが魅力です。 最高の素材を卓越した技術で熟成した極上の素材ですから、シンプルに味わいたいですよね。 その中でも、断トツに旨かったのが、青首鴨のグリルでした。 これを戴けただけでも、この日、こちらを訪れた価値が十分ありました。 それほど、肉好きな訳でもないのですが、これなら、また来週来ても食べたいと思わす美味しさでした。 ドライエージングの効果なのか、鹿や猪もそうでしたが、全般的に癖が少なく、食べやすく、「ジビエはちょっと・・・」と言う人でも、抵抗なく楽しめると思います。 ただ、ヲイラは、もう少し、癖のある方がより好みですが・・・。 店内の雰囲気と言い、デザートまで充実したMENU構成と言い、ジビエの食べ易さと言い、ヲイラが、冒頭想像していたような一部のマニアックな客だけをターゲットにするのではなく、若い女性を含めた幅広い層に利用し易い店作りの戦略を取っているのかも知れませんね。 勿論、デート使いにも十分通用する店でした。 最後に一点、残念だった点。 それは、席に案内され、MENUの相談をした時の1人のスタッフの対応でした。 MENUを見ながら、食べたい料理を数種類セレクトし、それをスタッフに伝えた際、一皿のボリュームが分からないので、「色々、種類を食べたいのですが、これ位(我々がセレクトした料理)食べれますかね?」と尋ねたところ、「食べれる量は、個人差がありますら・・・、 逆に、どれ位、食べれるんですか?」 と言う予想しない回答が帰って来ました。 満腹になるのに、個人差がある事くらい、我々も分かっていますが、平均的な大人の男性の方なら・・・・とか、小食の方なら、ちょっと多いかも知れません。」とか言うアドバイスが出来ないのですかと・・・。 例えば、オヤジのフレンチで人気の「サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ」の場合は、「うちは、一皿のボリュームが多いので、男性の方で、前菜1~2品とメイン1品で十分だと思います。 お選びになったもう1品のメインは、まだ、食べれるようでしたら、後で追加オーダーしては如何ですか?」と言う応対をしてくれます。 サービススタッフは、男性3人いましたが、他の2人のサービスは、とても丁寧でした。 上記の料理と、以下のアルコールを飲んで、3人で46,000円。 決して安くはないですが、その価値はあると思います。 またリピートしたい店です。 ■サッポロ エーデルピルス 生ビール(600円×3) ■旭洋酒 甲斐ノワール 2009(4,800円)・・・山梨(甲斐ノワールはCSとブラッククイーンの交配種) ■ドメーヌ・ベルモン 2003(6,600円)・・・フランス南西部(CF100%) ■シャトー・レ・ジョンケール 2003(8,000円)・・・ボルドー(M、CF、CS) ■コルトン・シャルルマーニュのマール(ルイ・ラトゥール)グラス×1(価格不明) ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ 目黒区祐天寺1-1-1 リベルタ祐天寺 B1F 03-3793-9090 [火~土] 18:00~翌2:00(L.O.翌1:00) [日] 18:00~24:00(L.O.23:00) 定休日 月曜
by kansukenator1
| 2012-02-10 18:53
| フレンチ
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by kansukenator1 カテゴリ
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