代々木公園に程近いオステリア Ostu(オストゥ)に行って来た。
ピエモンテで修行を積んだ宮根正人シェフがオーナーを務めるお店です。 「いつでも行けるから・・・」と油断していたら、行こうと思ってから、既に2年以上の月日が経っていました。 場所は、千代田線の代々木公園駅から1分、小田急線の代々木八幡からも3分くらい。 代々木小公園の傍にある可愛らしいお店です。 伺ったのは6月下旬の昼下がり。 店のエントランスに飾られた鉢植えの木々が、初夏の陽射しを浴び、風にそよぐ様が、どこかのどかで柔らかな雰囲気を醸し出していました。 店内は、オープンキッチンで、ホールは黄色と白を基調に、茶でアクセントを付けた明るく上品な雰囲気。 席は20人程でしょうか。 テーブルクロスやナプキンはリネンを使用。 オステリアを名乗っていますが、雰囲気はリストランテに近いかも。 我々は、入ってすぐの窓際の席に通されましたが、大きなガラス窓からは、目の前の代々木小公園の緑が見え、なかなかのロケーションです。 普通なら、スプマンテで喉を潤すところですが、こちらには世界最高峰と言われるピエモンテの幻のビール「メナブレア」が飲めると言う事で、まずはそれで乾杯。 色は美しい琥珀色、専用のグラスもとても素敵です。 初めて飲みましたが、ベルギービールを若干軽やかにしたような感じ。 フルーティーでコクのある甘みが口の中に広がり、めちゃ気に入りました。 これは新発見! 箱で買いたいと思いましたが、これがごく少量生産で、「イタリア人も飲めない幻のビール」と言われているそうです。 と言うか、世界最高峰のビールでありながら、イタリアでもその存在を知っている人が少ないとか・・・。 スタッフは、キッチンに宮根シェフとアシスタント男性2人、ホールに若い女性1人の計4人。 12時過ぎには、ほぼ全ての席が埋まり、1人でホールを賄うのは、なかなか大変そうでしたが、 この女性のサービスは素晴らしかった。 MENUの説明、料理の上げ下げ、ワインの説明とサーブ、電話対応、そして会計・・・・。 しかし、どこに居ても、常に全テーブルに目が行き届いており、明るく、爽やか、丁寧、そして機敏なサービスを展開していました。 ランチタイムのMENUは、パスタランチ(1800円)、ランチコース(2800円)、オストゥ スペシャル(4500円)の3種類とアラカルト。 パスタランチは平日のみ。 ランチコースはプリフィクス。 オストゥ スペシャルはシェフ限定MENUとなっています。 席の予約は、ランチコース、オストゥ スペシャル、アラカルトの場合はOKですが、パスタランチの場合は不可です。 ディナータイムは、シェフのおまかせコース6500円(MENUは月替わり)とピエモンテコース(6000円)の2種とアラカルト。 と言う構成。 お店のHPを見て、ディナータイムのシェフのお任せコース(月替わりMENU)に入っていた「越冬じゃが芋のニョッキ」と「イタリア産マイアリーノ( 仔豚 )のロースト」が食べたかったので、夜の月替わりコースを昼に食べられないか尋ねたところ、ランチのオストゥ スペシャルにその2品が組み込まれているとの事。 しかも、若干内容が異なるものの、ディナーでは6500円のところ、ランチでは4500円。 ラッキーです。 ただ、オストゥ スペシャルのオーダーは2人からと言う事で、普通のランチコース(2800円)で、軽めに済ませたかった相方も付き合せてしまう事になり、ちょっと申し訳なかった。 コースの内容はこんな感じ。 ■アミューズ ・・・お肉のテリーヌ、オリーブ、ドライトマト ■フォカッチャ ・・・お変わり自由です。 ■前菜・・・ヴィテッロ ・トンナート ・・・ピエモンテの定番料理。 ローストされた子牛の薄切り肉の間に、ツナ、マヨネーズ、アンチョビ、ケイパー、レモン汁等で作ったソースが挟まれています。 肉の上には、シブレットとケイパーがトッピング。 シブレットの緑が彩りに、そして苦味が味わいの変化に良い役割を果たしていました。 ■プリモ①・・・そら豆のクリームソースのタヤリン ・・・コースのプリモは、お目当てのひとつ、「越冬じゃが芋のニョッキ」だったのですが、ランチコースのプリモの選択肢にあった「手打ちのタヤリン」も食べたいと言ったところ、一皿ずつに出して戴けるとの事。 我儘言ってすみません。 ・・・卵黄たっぷりの麺の風味と食感がGOODです。 ■プリモ②・・・越冬じゃが芋のニョッキ カステルマーニョチーズソース ・・・越冬じゃが芋の甘くふくよかな味わいと、濃厚で独特の風味を持つピエモンテのカステルマーニョチーのソース がベストマッチ。 冷えた白ワインによく合うし、もっと食べたかったっす。 ■セコンド・・・イタリア産マイアリーノ( 仔豚 )のロースト 自家製りんごのモスタルダ添え ・・・これも、お目当てのひとつ。 マイアリーノ(乳飲み子豚)のローストは、バラ肉、腿肉、ロース肉の3種が、全て皮付きの状態で供されます。 皮は香ばしくパリパリに焼かれ、肉はしっとり、キメが細かく、なめらかで甘みを感じます。 岩塩だけで十分美味しいですが、バルサミコを煮詰めたソースをつけて2種類の味わいを楽しめます。 付け合せは、ローストしたタマネギ、ブロッコリ、そしてりんごのモスタルダ。 モスタルダは、果物をシロップで煮詰めたようなものだそうで、初めて食べました。 ・・・最近、牛より豚の方が好きになっている。 嗜好が変わったと言うより、昔と違って、最近は美味しい豚が市場にどんどん出て来ていると言う事だと思 います。 レストランでも、昔は、こんなに豚肉MENUなかった気がする。 ■ドルチェ ■エスプレッソ ・・・クレマも厚く、とても美味しいエスプレッソでした。 鎌倉のフレンチ「OSHINO」のエスプレッソ以来の美味しさでした。 チンバリがカウンターの上に鎮座しています。 グラスワインも赤白各々数種類ずつ用意されています。 ヲイラが飲んだのは、次の3種類。 ■ロエロ・アルネイス(ピエモンテ) ・・・アルネイスはピエモンテの土着品種だそうで、初めて口にしました。 ■アルトゥリス・ソービニヨン ・・・フルーティで力強さを感じるソービニオン。 ■ヌータイル・ポッジョーネ(トスカーナ) ・・・エレガントでバランスが良い。 葡萄はサンジョベーゼか? たった1度、しかもランチで数皿食しただけで、分かったような事を言うのは、非常に気が引けますが・・・・。 宮根シェフの料理には、素材や調理法に対する強いこだわりと、深い探究心が感じられます。 豊富な知識と経験をベースに、独自の世界を創造、探求する「知の料理人」のイメージを持ちました。 同じピエモンテ料理でも、その郷土色を「これでもかっ!」と強く打ち出した骨太系の料理ではなく、 それをより都会的に洗練させたフレンチに近い料理と言えるでしょうか。 見た目は、あくまでも美しく、優しく、繊細です。 味わいにも押し付けがましさは微塵もありません。 しかし、その料理には、しっかりとした強い芯が感じられます。 テーブルに運ばれた完成形としての料理だけを見れば、一見オーソドックスに見えるかも知れませんが、 その料理は、その背後に広がる「宮根ワールド」とも言うべき、シェフの知識と経験、こだわりと独自の料理感、そして緻密な計算から産み落とされた結晶なのだ、と感じました。 そして、その世界はとてつもなく広く、奥深く、気が付くと、「それを知る為に、何度もこの店に通いたい!」 と言う思いに、ヲイラの心は完全に支配されてしまいました。 お値段も非常にリーズナブル。 すぐにでも、ピエモンテコースか、アラカルト狙いで、夜に伺いたいです。 本日の予算。 ビール(メナブレア)1、グラス白ワイン2、グラス赤ワイン1、料理4500×2、で約13,000円。 ご馳走様でした。 Ostu(オストゥ) 渋谷区代々木5-67-6 代々木松浦ビル1F 11:30~14:00 18:00~ 23:00 03-5454-8700 水&第2火曜休み
by kansukenator1
| 2010-07-01 23:11
| イタリアン
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by kansukenator1 カテゴリ
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